弁護士法人岡林法律事務所 代表弁護士 岡林 俊夫 PROFILE

弁護士法人 岡林法律事務所
代表弁護士 岡林 俊夫

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岡林法律事務所 WEB SITE 15.過払い金と自己破産 その2

今回は,多額の過払い金を回収できそうだ(又は,回収できた)が,その他に8さらに多額の債務を負っていて,全額返済することは難しいという場合について,お話しします。多額の過払い金があるけれど債務も多い場合にはどうしたらいいのか分からないという方もいるからです。

過払い金が99万円+αの場合

 まず,過払い金を回収して,弁護士費用及び実費等を支払って,99万円+αの残金がある場合について,お話しします。
 前回お話ししたように,このときも,残債務が多く(例えば300万円以上というような場合です),返済が困難な場合には,自己破産の申立ができます。ただし,現金が20万円以上ある場合には,同時廃止という訳にはいかず,少額管財(小規模管財事件)という手続きになります。少額管財の場合には,免責決定が得られるまでに,半年間程度かかることが多いです。
 ここで,少額管財という手続きにおいて,99万円未満の現金は,自由財産として破産者が保持したまま自己破産の申立をすることが可能です。前回,述べましたように,自己破産の申立をする場合でも,生活に必要最低限の現金を持っていることは許されるからです。
 しかし,99万円を超える現金は持っていることができません。そこで,方法が2つあります。 1つは,99万円未満の現金は持ったまま,その余の現金は管財人に引き継ぐ形で,自己破産の申立をするという方法です。この方法ですと,直ちに自己破産の申立をすることができます。しかし,99万円を超える部分については,管財人に引き継ぎ,債権者への支払い等に充てる必要が生じてしまいます。
 もう1つは,99万円を超える現金については,しばらく生活費として費消して,現金が99万円未満になってから,自己破産の申立をするという方法です。この方法ですと,債権者への支払いにはお金を全く回さないで済みます。しかし,直ちに申立をすることがができないというデメリットがあります。
 両者について,急いで自己破産の申立をする必要性と,現金を生活費に充てる必要性とを比較衡量して何れがよいのかを判断しなければなりません。いずれにしても,債務者は,(破産法に反しない範囲で,)自分の利益を最優先に考えることができます。債権者のことばかり考えていては,一度破綻した生活を立て直すことはできないのです。

過払い金が非常に多額の場合

  次に,過払い金を回収して,弁護士費用及び実費等を支払って,残金が20万円未満の場合について,お話しします。
  このとき,残債務が多く,返済が困難な場合には,自己破産の申立ができます。そして,手持ちの現金が20万円未満になりますので,この場合にも,同時廃止という簡易な手続きで自己破産の申立をすることができます。自己破産の申立をする場合でも,生活に必要最低限の現金を持っていることは許されるのです。
  前述のように,同時廃止の場合には,約3ヶ月間程度で免責決定が得られることが多いです。
  このように,過払い金から弁護士費用を捻出して,20万円未満の現金が残る場合には,債務者が自ら弁護士費用を支払わず,最低限の現金を手元に残したまま,自己破産の申立ができますので,債務者の家計を圧迫しないで済む(自己破産後の生活を再建しやすい)というメリットがあります。

まとめ

  いずれにしても,過払い金が十分にある場合で,自己破産しかないという場合でも,99万円までの現金は持っていられるのです。このようにすることで,自己破産後の生活の再建を考えることができます。
 つまり,債権者のことより債務者(自分)のこと,赤の他人のことより家族のこと,過去のことより未来のことを考えるべきなのです。そのために,一刻も早く弁護士にご相談することをお勧めします。